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ZENから学ぶー茶道でこころ整え”一座建立”。チーム創造性にも繋がるシンプルな訓えとは。

2018-03-21Column

AIやIOTの時代、デジタル化された日常の中、いま、再び世界で注目されているのが、精神性や調和を重んじる「和の文化」。とりわけ、世界のビジネスリーダーが「ZEN=禅」に魅了され、精神統一や、物事の本質を見極めるツールとして取り入れているのはよく知られています。

NI-WAではその潮流の中で、心の調和や自然との融合を日常に取り入れるものとして「茶道」に注目。今回は、観翠庵三斎流理事 茶道家元教授の梅村尚子さんをお招きし、満月の夜、樹齢100年を越える木にかこまれた屋上でお話を伺いました。

 

 

 【戦国の世、明日をも知れない時代に自分を見つめる時間―それが「お茶」】

 

「そもそも、お茶は自由なものなのです。スタバでコーヒーを飲むのと、同じ。茶道は敷居が高いと思われがちですが、心が大切。内面的なものです」

 

観翠庵三斎流理事 茶道家元教授の梅村尚子先生から頂いた言葉が意外なものでした。

「僕は、お手間を頂く時に、形式どおりに振る舞わないといけない・・・というのが、どうも苦手なのです。そうでは、ないのですか?」

旧山口邸に、現代の茶室を設えたいという想いのある代表の吉川は、京都を始め、地方の茶室を訪れたり、お茶席に招かれたりすることも多くある。

梅村先生は出雲のご出身。3才の頃から茶道を始め、利休七哲の一人である細川忠興(三斎)公より武家茶道の伝統を受け継いだ三斎流の家元でおられるが、こちらの流派は千利休の流儀をできるだけ変えることなく、形式よりも体得を重んじられ、伝えられてきたという。

 

「元々お茶は禅の僧侶が日本に持ち込み、その座禅の合間に飲んだというのがはじまり。カテキンやカフェイン、ビタミンCの効果で覚醒するためだったのですね。まさに、スタバでコーヒーを飲むのと同じ。その後、利休の存在から、武将たちが明日をもしれぬ戦国時代生きる時代、一服のお茶に精神世界を重ねていきました。こうしないといけない・・というより、自分を見つめることです」

 

梅村先生からお茶の歴史を伺ううちに日が暮れだし、夜の帳がおりてゆく。

【鋭い嗅覚で察知した唐物に価値見出した商人・美意識を高めた茶人のセンスに学ぶ】

「戦国時代の、武具や輸入と同じくして海外から珍しい唐物(からもの)が入ってきて、堺の商人が富を得、身分の上の貴族たちと同じように歌を読んだり、道具に価値をつけていったわけです。」

 

鋭い嗅覚で海外から入ってきた唐物に価値をつけ、モノの流通から力をつけた茶人、その審美眼から武将と席を同じくして茶室に入った茶人。

変化の激しい現代のビジネスの世界で価値あるものを見極める力、心を整えることの大切さを教えてくれる。

 

―和の文化とビジネスの見立てに、お集まり頂いた感度の高いゲストから、示唆に富んだ対話が広がっていく。

 

 

【禅で大切なことは呼吸を整えること。Googleのオフィスでも実践!?】

「ZEN=禅は整えること。呼吸法、お茶のお点前は人に対してのおもてなしです。“(禅語)喫茶去(きっさこ)”は「まあまあ、お茶を一服おあがり」という意味ですが、お点前よりも、おいしくお茶をのめるように。ということでしょうね」

“一座建立(いちざこんりゅう)”とは、お茶や能の世界で主と客、その場にいる人と気持ちの良い状態つくること。

 

しだいに柔らぐ雰囲気の中で、ゲストからも示唆に富んだお話を伺うことができました。

 

 

「僕たちGoogleのオフィスでも、就業中、心を整えるために呼吸することだけに集中する時間を設けています。カーンと音が鳴って、ランチの時間にただただ黙ってごはんを食べることに集中する。生産性を上げ、クリエイティブに自分と違う人と仲良くしやすくなるのです」

 

 【これからはチーム創造性を高めるオフィスや空間が必要ー現代の茶室】

 

吉川からは、“チーム創造生産性”という言葉もでてきた。

「ひとりで、すばらしい創造性を持って、成功される方もいますが、これからはチーム創造性・生産性を高めていくことも大切になってくると思います。

山口邸では茶室を作りたいと思っています。重要な意思決定をする人たちが、心を整えたり、余白を愉しむ場としても、茶室はとてもふさわいい空間ですね」

 

 

 

春浅い満月は、まだ旧山口邸の樹木茂る東の空低いところにあるが、灯りを消した屋上では、一期一会に集まった人々から和の文化の奥深さが海外での体験、哲学的な視点からも語られました。

【対話のつづきは、階下のサロンで熱燗とともに】

花冷えしてきた屋上から、階下のサロンでまだまだ、対話は続きます。「和の文化」のあとは、やはり、日本酒が人気。それぞれのゲストのみなさんも互いに親交を深めていただきました。

 

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